リスケジュール(リスケ)とは

リスケジュール(リスケ)とは
リスケジュール(略称:リスケ)とは金銭債権の返済条件変更のことを言います。
債務の返済が困難になった債務者に対して、元本や利息の支払いについて債権者が債権の条件変更を行うことです。
資金繰りが悪化しているからといって、突然に自社都合で返済を止めたり、返済額を減額してはいけません。かえって期限の利益を喪失し、直ちに債務の弁済を求められることになりかねません。
できるだけ早めに金融機関にリスケジュールの申し込みをし、交渉することが必要です。
直前まで粘られる経営者の方もおられますが、返済を履行できない場合は、金融機関の担当者に連絡を入れ、リスケジュールをお願いする旨を伝えておきましょう。
交渉を行う準備期間の数か月について、返済を止めてくれる手続きを行ってくれることでしょう。
当社に相談に来られる資金繰りの相談の中でも、「金融債務の返済が第一」、と考えれらている経営者の方が圧倒的に多くいらっしゃいます。
至極まっとうな正しい考え方なのですが、そういう方は、仕入先などに負担をかけていることになります。
仕入先などへの負担は、取引条件を悪化させ、損益や財務を傷める悪循環となります。
仕入先も大事にしている、という方は、個人ローンや役員・親族・友人からの借入れにより資金を回している方が多いため、人間への負荷が大きく、再生時のマンパワーが不足しがちです。
まずは、金融債務をリスケジュール(リスケ)により、返済軽減し、その間に、経営改善することをご提案します。
その理由は3つあります。
1)資金繰りが楽になるという即効性がある
リスケジュールを行うと、一定期間ではありますが、債務返済が楽になります。
たとえば、毎月60万円の返済が50万円減額により月10万円の返済ぺースとされた場合、1年で600万円の融資を受けたことと同じ効果が得られます。
金融機関は回収一本やりで、新規融資が断られて、新しい機械も入れられない、直したいものも直せない、といった状況においては大きな効果です。
その資金で設備投資、修繕を実施し、収益改善を図ることで再生への道につながります。
2)債務者区分を低下させないことが可能
金融機関と取引をしている場合、会社は金融機関から評価されています。
その評価のことを、債務者区分と言います。一般的に、債務者区分は以下の通りです。
・正常先
・要注意先
・要管理先
・破綻懸念先
・実質破綻先
・破綻先
経営状態良好の企業の債務者区分は「正常先」であり、この場合、普通に融資を受けることも可能です。
業績が低下して、経営が不安定になってくると、企業の区分が「要注意先」に下がります。
3ヶ月以上債務の返済を延滞した場合、「要管理先」にランク付けされます。
「要管理先」「破綻懸念先」「実質破綻先」の区分では、融資を受けにくくなります。
「破綻懸念先」相当の信用状況にある中小企業が、一定のリスケジュールをする場合に、
「合実計画」が策定され、「合実計画」の要件を満たしている場合には、「実抜計画」の要件も満たしているものとして、「要管理先」ではなく、「その他要注意先」に区分してよいこととなります。
※「合実計画」とは「合理的かつ実現可能性が高い経営改善計画」
※「実抜計画」とは「実現可能性の高い抜本的な経営改善計画」
3)金融機関を味方につける
冒頭にも書きましたが、リスケジュールは、返済条件の変更です。
変更後の条件に則って返済を行えばよいので、金融機関から、訴訟や担保権の実行等の法的措置をとられる恐れがありません。
リスケジュールの期間中、金融機関は企業の再生を支援してくれています。
リスケジュールの交渉において、金融機関に企業への理解を深めていただくことができることも、リスケの大きなメリットの1つです。
以上のようなリスケのメリットがあるため、当社では、まずはリスケをお勧めしています。
リスケジュールは、リスケ期間中の返済条件の緩和により、手許資金で経営改善を図っていく方法ですので、対象金融機関からの新規融資は、ほぼ、ありません。
新規融資が難しいことをリスケジュールのデメリットと捉えることもあります。
では、経営改善策を打たないまま、経営が悪い状況において、新規融資が受けられないことについてはいかがでしょうか? 実はこちらが明確なデメリットであると認識していただきたいです。
経営改善計画では、最低3年間の経営改善計画を策定いたします。
売上計画、費用計画のほか、設備の修繕や入替えなど投資項目も想定して、計画書を策定します。
不測の事態まで憂慮されて、将来の新規融資が受けられない可能性を、現時点で恐れることは、しないようにしましょう。

リスケジュール(リスケ)は自分でもできるのでしょうか?
事業再建計画書、経営改善計画書などを用意し、金融機関にご理解いただき、ご支援をお願いし、合意を得る、という流れですので、ご自身でも可能です。
リスケジュール(リスケ)を自分で行うための書籍などもでておりますが、資金繰りや業績改善に時間が必要な経営者にとって、いま、リスケについて勉強する時間を割くことは、再生にとって回り道のように思えます。
金融機関借入の返済が負担になり、数か月後の資金繰りが危うい状況が見えているのであれば、一刻も早くリスケジュールに着手することをおすすめします。
外部の専門化にサポートしてもらい作成する形がベターです。
リスケの際には、いろいろな書類を作成しますので、 自社の社内だけで作成することは、大変な時間と労力を必要とします。
当社にご依頼いただいた場合には、これまでの経験やノウハウを踏まえて、資料収集や作成に関し、強力にサポートいたしますので、ご安心して、ご依頼ください。